会社を設立する前に考えるべきこと ~後編~
4.できる限り多くの人に相談する
上記は一例であり、他にも必要となる物事は、業種や事業形態により異なるため、情報収集は大変重要なものと言えます。必要な物事を書き出した上で、いつまでに処理する必要があるかを記入してください。そのうえで、時系列に並びかえて、開業前後のスケジュール表などを作成して管理することをオススメします。
どのような事業を経営するのかを簡潔にまとめて、疑問に思う事や、選択を迫られるような内容などを、できる限り多くの人に相談するようにしてください。最終的には自己で判断をしなくてはいけませんが、とても意義のある行為になるので積極的に動いてください。
相談する際に意識して頂きたい手順
①意識するべきこと
できる限り、多くの情報を得る努力をする
事業の内容などのやる事を、できる限り把握してもらう
相談相手への感謝の気持ちを持ち続ける
②事業内容と計画を簡潔に伝えて、相談相手がどう思うかを聞かせてもらう。
完全な聞き手に徹する
説明が不足していたと思う内容がある場合のみ、補足を伝える
③ひと通り、相手から意見をもらった上で、意見交換する。
議論や言い合いは回避する
軽い意見交換を交わすのはOK
相談相手に感謝し尊重する態度で臨み、更なる意見を引き出す。
誰に相談するべきなのか
・親しい友人
・既婚者はその配偶者
・親や兄弟などの身内
・過去にお世話になった上司や先輩
・つきあいのあった後輩
・対面が望ましいが、電話だけでも連絡を取る事ができる人
・手続きなどに関係する専門家
・情報を提供してくれる、同業者や起業者
相談することの意味や効果
・多くの情報を得る事ができる
・新しい発見や事業のヒントを得ることができる
・自分よりも深い知識をもっている場合がある
・事業に関連する人や制度の情報の紹介を得られる場合がある
・事業開始後にも相談相手や協力者になってもらえる。
・顧客やルートを紹介を得られる場合がある
・パートナーや専門家が必要になった時に紹介を得られる場合がある
5.事業計画を立てる
事業計画とは、事業を経営するために必要な行動や、利益とお金の流れ等のスケジュールに関する計画をまとめる事です。前述の 2.何をやっていくのかを書き出すと、 3.必要な物事をリストアップするの内容を合わせたものが簡易版の事業計画書と言えます。事業の関係で、事業計画書の作成を求められた場合は、さらに詳細で明瞭な内容にする必要があります。
事業計画書の作成目的は、計画したプランで、将来の経営がどうなっていくのか、または事業がうまくいくのかを判断するためと言えます。その事から、事業計画書からは下記の内容を読み取れる必要があります。
・事業計画書の収入や資金の流れに計算間違いがないか
・事業計画書の計画が現実的な内容になっているか
・その根拠となる能力や実績があるか
・その企業の強みやアピールが客観的に評価できるか
・同業他企業と比較して、都合の良いプランとなっていないか
・事業計画書の内容が評価できる内容か
事業計画書の作成には手間がかかりますが、難しくて作成不可能というものではありません。ただし、せっかく作成した事業計画書に誤りや不備が多かったり、客観的に判断して達成が疑わしい場合や、そもそも計画が破たんしていたのでは、事業計画書の評価は低いものとなってしまいます。なにより事業計画書の内容の信頼性が低い場合、自身の経営がどうなっていくかを予測するための道具として利用する事ができず、事業計画書を作成する意味がなくなってしまいます。
そうならないためには、専門家に相談したり、経験者に作成を依頼する手もありますが、経営者自身が事業計画書の内容を理解して、今後の事業経営について把握している必要があります。ですから、ご自身で事業計画書を作成したうえで、必要がある場合には専門家などに相談する方法がオススメです。別の記事で事業計画書の作成手順の詳細をお伝えしていますので、事業計画書を作成する際はぜひ参考にしてください。事業計画書のひな形も用意していく予定です。
6.会社設立に必要な情報を得る
最後に、会社設立のおおまかな流れと、設立にかかる費用や、設立までにかかる期間を説明させていただきます。
会社設立のおおまかな流れ
①会社の組織の内容やルールを定める
②資本金を特定の銀行口座へ入金する
③上記①で定めたを書面にする(この書面を定款と言います)
④公証役場で③の書面(定款)の認証という手続きを受ける。
⑤認証を受けた後、法務局に会社設立の登記手続きをする
⑥数日後に法務局の手続きが完了すると法人設立の手続きが完了
設立にかかる費用
株式会社の設立には、おおまかには下記の金額がかかります。細かい内容は別の機会に投稿させて頂きますが、意外にもご自身で設立手続きをするよりも、専門家に依頼する方がコストを抑える事ができる場合があります。
ご自身で設立される場合 約25万円
専門家に依頼して設立する場合 約21万円 + 手数料
※手数料は専門家によりますが、3万~5万円前後が相場と思われます。
設立に要する期間
設立までにかかる期間は、おおよそ2週間から1か月程度になります。
具体的には、
参考)会社を設立する具体的な方法はこちら
まとめ
ご自身で設立することは十分に可能ですが、手続きに費やす時間や、見落としのリスクを考慮すると、専門家に依頼することをオススメします。
さらに、ご自身で作成されるよりも、専門家に依頼する方が、設立費用が4万円安くなる項目があるので、支払う手数料によっては、専門家に依頼する方がコストをおさえつつ、確実に設立できると言えます。