事業計画書をつくろう 前編




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 事業計画書の作成と聞くと、難しく考えたり面倒に感じたりする人も多いと思います。ここでは、ポイントをおさえつつ事業計画書を作成するコツをお伝えしていきたいと思います。
 少しの手間をかけるだけで、評価される事業計画書を作成することは簡単です。それには、おさえるべきポイントと手順にそって作成することが重要です。

 事業計画書は作成するだけでは意味がありません。本来の目的は、事業計画書の作成を通じて、経営する会社や事業の状況を把握して、より良い判断をしていく為の情報を得ることにあります。
 もう一つの目的は、銀行や取引先に対して、事業のアピールをする事です。作成した事業計画書の評価によって、銀行からの借入額や利率に影響したり、取引先への提案結果に影響したりします。事業計画書を提出する相手方から、会社の事業の状況と計画の正確性を理解してもらいつつ、より良い評価をもらう事を目的とすることを前提に、事業計画書を作成する必要があります。

 これから事業計画書の作成の説明に入りますが、以下の流れで進行しますので、すでに理解している内容については読み飛ばして頂いても構いません。できるだけ解りやすく解説していきたいと思います。

事業計画書の作成手順

  1. 必要な知識を見てみよう
  2. 事業の内容を書きだそう
  3. 事業の儲けを計算しよう
  4. お金の流れ考えてみよう
  5. 現状と過去の実績を把握しよう
  6. 将来の計画を反映して計算しよう
  7. 以上をまとめて事業計画書を作成しよう
  8. 事業計画書作成ツール ※準備中

1.事業計画書の作成に必要な知識を見てみよう

売上
 販売業では、モノを売ることで得る収入のこと。
 サービス業では、サービスを提供いた見返りとして得る収入のこと。

原価
 販売業においては、売るモノを仕入れするための支出のこと。
 サービス業においては、提供するサービスに関して欠かせない外部への支払いのこと。

費用(諸経費)
 事業を経営するうえで必要な支出のうち、モノやサービスの提供をうける取引。
 ※原価に該当する取引は除く

粗利
 売上から原価をマイナスした金額。事業のみの純粋な儲けを指し、とても重要な数値の一つ 。
 ※諸経費は考慮しない

利益
 売上から原価と費用を引いた金額で、いわゆる儲けのこと。

売掛金
 売上に関する入金が、後払いになる場合の請求額のこと。

買掛金
 原価に対する支払いが、後払いになる場合の請求額のこと。

未払金
 諸経費の支払いが、後払いになる場合の請求額のこと。

棚卸
 販売に備えて抱えた商品や、サービスの提供に先行して支払うことになった諸経費のこと。
 下記の項目のように、種類によって表現が区別されている。
・商品 → 在庫
・諸経費 → 貯蔵品または前払費用
・製造中の製品等に対する支出 → 仕掛

資産
 建物や車などのように、数年にわたって事業のために使用されるモノ。

減価償却費
 資産などは長期間使用できて、事業の役に立つものと考えられています。そのため、購入した時期に全額を経費とすることが、適当ではないと考えられています。具体的には、資産を取得するために支払った総額を、使用できる期間に経費として割り振る計算をします。この計算を減価償却といいます。

期ズレ・期間配分
 売上などを売掛金取引で行った場合、売り上げた時期とその対価が入金される時期にズレが生じます。この期間のズレによって、計算される利益もズレてしまうことを期ズレと言います。
 また、資産などのように、購入した時期には全額が経費になるのではなく、その支出額を使用できる期間に割り振って経費にすることを期間配分と言います。

~事業計画書をつくろう 中編~ へ つづく

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