事業計画書の作成目的は、提出先に対して、事業の優位性をアピールすることです。そのためには、提出先に事業の内容を理解してもらったうえで、事業計画が実現可能であり、優位性があると判断される必要があります。
そのためには、事業計画書の冒頭で、事業内容を中心にアピールする形式で作成することを推奨します。その際に抑えるべきポイントをお伝えしたいと思います。
下記の項目を参考に書き出してください。
会社を設立してから、決算を1回でも迎えている場合は、その決算書の金額を実績として利用します。その実績をベースにして、後述の①~⑩の金額を求めて、次年度以降の儲けの見込み計算に利用します。
これから事業を始める場合や、設立後1期目で1度も決算を終えていない場合は、実績がありません。そのため、事業で見込まれる儲けを、以下の手順で仮計算する必要があります。
必要になる見込み金額
① 取引 1回あたりの売上金額
② 取引 1回あたりの原価
③ 取引 1回あたりの費用
④ 1日の見込み取引回数
⑤ 月ごとの見込み取引回数
⑥ 取引と直接的には紐づかない費用
(給料、家賃、事務用品、など)
⑦ 支出した期間以外にも影響する費用
(減価償却費、一括払いの保険料やリース料など)
⑧ 本業とは関係のない収入
⑨ 通常ではありえない収入
⑩ 通常では発生しない損害や損失
各項目を変動費と固定費に区別する
上記①~⑩を、商売の規模に比例して変動するものと、取引の規模に関係なく一定の金額が生じるものとに区別してメモを追記します。
厳密には、準変動費や準固定費となるものも、変動費として計算してください。これは上級者向けの考え方ですので、いずれチャレンジしてください。
①~⑩の各項目をもとに、見込まれる事業の儲けを計算する。
取引1回あたりの粗利の計算
①から②と③を差し引いて、取引1回あたりの粗利を求めます。
1日あたりの粗利の計算
上記で求めた取引1回あたりの粗利に、④の1日の見込み取引回数をかけて1日あたりの粗利を求めます。
年度の始まり(期首)から決算(期末)までの、各月ごとの粗利を計算する。
次に、1日あたりの見込み粗利に、⑤で求めた月ごとの見込み稼働日数をかけて、期首から期末1年間の各月における粗利見込を求めます。
⑥~⑩の収入・支出を、期首から期末までの、各月ごとに計算する。
最後に⑥~⑩の収入と支出を、季節や繁忙期などを考慮したうえで、その月ごとの変動見込みを反映して、期首から決算までの各月ごとの金額を求める。
1年間の事業による儲けの見込みを計算する。
仕上げに、期首から期末までの各月ごとに、 ①~⑩の各項目を並べる形式で、利益計算表を作成します。
これが事業計画書のベースとなる、損益計算見込みになります。