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会社を設立する前に考えるべきこと ~前編~

 これから事業を始める人や、起業しようと考えている人は、開業のために情報収集をすることになると思います。既に知っている知識もあれば、これから調べなければならない情報もあることと思いますが、以下の内容をおさえる事をオススメします。

  1. 個人事業で始めるパターンを検討する
  2. 何をやっていくのかを書き出す
  3. 必要な物事をリストアップする
  4. できる限り多くの人に相談する
  5. 事業計画を立てる
  6. 会社設立に必要な情報を得る

1.個人事業で始めるパターンを検討する

会社設立その前に、個人事業での開業を検討することをお勧めします。
事業を始める場合、個人開業または法人設立の選択肢があります。
会社設立には色々なメリットやデメリットがありますが、
個人開業のメリットを検討せずして法人設立をしてしまうと
知らず知らずのうちに、大きな損をしてしまう場合があります。
まずは、個人開業のメリットを見ていきましょう。

参考)法人設立のメリット・デメリットはこちら

個人開業のメリット・デメリット

個人開業のメリット

  • 経営の方針などの決定についてある程度の自由がきく
  • 経理面で作業を省略できるケースがある
  • 節税できるケースがある
  • 所得(利益)が少ない場合は税率が低い
  • 一定規模までは社会保険の加入が強制ではない
  • 初期投資額を抑える事ができる(法人の設立費用は約25万円)
  • 計画的に法人に成る事で消費税が免除される期間を延ばせる
  • 税金を抑えられる部分がある(法人は赤字でも最低7万円が毎年かかる)

個人開業のデメリット

  • 所得(利益)が多い場合は税率が高くなる
  • 一般的なイメージとして信用が高くはない
  • 法人の場合は受けられる優遇税制や制度を受けられない
  • 一定水準を超えないと、資金調達をする場合等の信用が低くなってしまう

 個人開業のメリット・デメリットは必ずしも共通して当てはまる訳ではありません。個人事業でも法人以上に信用が高い場合もありますし、税金負担の大小は個人・法人の違いというよりは事業の状況によって違ってくる場合が多いです。
 ただ、開業にあたって検討することをオススメしたいのは、開業イコール法人設立とは限らないという事と、起業にあたって必要な情報収集と、起業後の計画を立てるという事です。

2.何をやっていくのかを書きだす

 起業して、または会社を設立してから何をやるのかを書き出すことで、今この時点から起業するまで、そして事業が軌道にのり、その先に何をやり遂げたいのかを明確にすることで、いろいろな道筋がみえてきたり、大きなヒントを得られる可能性が高いです。
 少し面倒かもしれませんが、再確認の意味でも書き出してみてください。この何をやっていくのかという内容には、何をやってきたのかとうい事も含んでいるのですが、以下の手順を参考にしていただければと思います。

①これまでの職務経歴書を作成する
 ざっくりとした内容の箇条書きで構いませんので、経験した仕事、得られた知識や資格、得意分野と苦手分野、仕事でかかわった事がある知人、その他アイデア等を書き出してください。誰かに見せるためのものではないので、気を遣わずに質より量といった形で作成してください。

②起業する事業の内容と、その事業で起業する理由を書き出す
 これから起業する事業の詳細や、何をやっていくのか、何故その事業を選んだのか、これまでの経験や得た知識等との関連性を簡潔に書き出してみてください。

③どのように事業を経営していくのかを書き出す
 事業の売りとなる内容と、どのように収益を上げていくのかを確認するように書き出してみてください。また、その収益を上げていく過程を目標として書き出してみたください。

何を売りにするのか
・売りにするものは何か?
  例)商品、知識、技術、代理、労働提供など
・誰を相手に事業を行うか
  例)消費者、個人、法人
・どのように顧客や売上を確保するか
  例)ネット、店舗、飛び込み、紹介、広告など
・どれ位の収益が上がるのか
  最小の販売単位と、その場合に見込める利益
  最大の販売量と、その場合に見込める利益

何を目標にするのか
・いくら稼ぎたいのか
・どれくらい事業を大きくしたいのか
・いつまでに目標を達成したいのか
・1年目、2年目などに区切った、段階的な達成計画を考える
・目標を達成した後、さらにやりたい事を考える

まとめ
 上記 ①②③の内容をひと通り読み返して、追加したくなった項目や、思いついた事などを書き足してください。これまでの経験や知識を活かして、どのように事業を経営していくのか、おおまかに整理できると思います。

3.必要な物事をリストアップする

 事業を経営するうえで、必要になるモノや手続きなどをリストアップして、いつまでに必要となるのかを把握してください。これは、事業を始めるにあたって重要な事で、下記のよくある失敗例を回避する意味でも、できる限り細かく検討してください。

開業準備の3大 失敗例
・開業後、1年もしないうちに資金が不足する
・事業開始後に手続きの不備が発覚して、開店休業の状態になる
・下調べ不足で、手続きに余計な時間やお金を浪費してしまう

開業に必要となり得る物事
・資金
・資格や免許
・経験や知識
・店舗や事務所等の場所
・契約
・商品や道具
・設備や機械
・従業員や労働力
・顧客や紹介
・専門家への依頼
・情報収集

後編へつづく (会社を設立する前に考えるべきこと ~後編~)

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