雇用調整助成金”コロナ特例”
雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練または出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金などの一部を助成するもの(厚生労働省ホームページより引用)
どのような制度なのか
コロナウィルスの影響を受けた事業主が、従業員に休業手当を支給した場合に、一定の条件下で給付を受ける事ができます。
給付を受けることができる上限額
- 1日につき15,000円(従業員1人あたり1日上限)
- 支給額に対して最大100%の補助
- 特例期間中は日数の上限なし
対象となる休業手当
- 従業員を自宅待機など休ませた場合
- 勤務時間を短縮させた場合
- 就業させる業務が無く解雇を検討している場合
※解雇をした人は対象になりません。
助成対象となる労働者
事業主に雇用された雇用保険被保険者に対する休業手当などが、『雇用調整助成金』の助成対象です。
※学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当は、『緊急雇用安定助成金』の助成対象となります。(雇用調整助成金と同様に申請できます)
特例の対象期間
令和2年9月30日までの期間中に対応する休業手当で、かつ各休業期間の終わりから2カ月以内に申請したもの。
要件(支給対象となる事業主)
新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置では、以下の条件を満たす全ての業種の事業主を対象としています。
- 新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
- 最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している
※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります。 - 労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている
申請に必用な書類
書類名 | 備考 |
様式特第4号 雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書 | 【添付書類】 生産指標の低下が確認できる書類または「売上」等がわかる既存書類の写しも可(売上簿、営業収入簿、会計システムの帳簿、客数のデータ、客室等の稼働率など) |
様式特第6号 支給要件確認申立書・役員等一覧 | 計画届に役員名簿を添付した場合、別紙の役員等一覧は不要 |
様式特第9号または12号 休業・教育訓練実績一覧表 | 自動計算機能付き様式 |
様式特第8号または11号 助成額算定書 | 自動計算機能付き様式 |
様式特第7号または10号 休業等支給申請書 | 自動計算機能付き様式 ※所得税徴収高計算書を用いる場合は 当該計算書を添付 |
休業協定書 労働組合等との確約書等でも代替可 | 【添付書類】 (労働組合がある場合)組合員名簿 (労働組合がない場合)労働者代表選任書※ ※実績一覧表(様式特第9号又は12号)の署名または記名・押印があれば省略可 |
事業所の規模を確認する書類 | 既存の労働者名簿及び役員名簿で可 ※中小企業の人数要件を見たしている場合、資本額を示す書類は不要 |
労働・休日の実績に関する書類 | 出勤簿、タイムカードの写しなど (手書きのシフト表などでも可) (必要に応じ、就業規則または労働条件通知書の写しなど) |
休業手当・賃金の実績に関する書類 | 賃金台帳の写しなど (給与明細の写しなどでも可) (必要に応じ、給与規定または労働条件通知書の写しなど) |
ここからが重要(本音)
雇用調整助成金は申請書類が多く、手続が難しく面倒なものでしたが、5月以降は特例で簡略化され申請がしやすくなりました。
とは言っても、申請に慣れていない人にとっては、まだまだ難易度が高いと思います。参考までに、下記の『雇用調整助成金』の概要と申請手順を把握できる厚生労働省のホームページをご覧ください、その難易度を実感していただける方も多いと思います。
どうでしたか。原則より給付が拡充された内容の説明や、申請手続きが数パターンあること、大量のリーフレットなどは確認できるのですが・・・どこを見れば概要をつかめるのか?どこをクリックすれば申請書類を入手できるのか? …など、私の場合は、むしろ疑問が深まるばかりの印象を受けました。
オススメの手続の進め方
もし、申請や届出などの作業が得意な方は、下記のパンフレットを一読したうえで、自分自身で申請するか専門家(社会保険労務士)に相談するかを判断すると良いと思います。
個人的には、従業員数20名以下の特例申請を利用できる場合は、より簡略化されていますので、申請手続き等が得意な方は自己申請されることをオススメします。
従業員数が20名超の場合は、パンレットを一読しておおまかな内容を把握したうえで、専門家に相談されることをオススメします。
特例)従業員20名以下の会社や事業に該当する場合の必用書類
- 支給申請書類(3種類)
→(様式新特小第1号、2号、3号) - 比較した月の売上などがわかる書類
(売上簿、レジの月次集計、収入簿など)
※ 休業した月と1年前の同じ月の2か月分必要です。
(休業した月の前月などの比較もできます)
※ 2回目以降は提出不要です。 - 休業させた日や時間がわかる書類
(タイムカード、出勤簿、シフト表など)
休業手当や賃金の額がわかる書類
(給与明細の写しや控え、賃金台帳など) - (役員等がいる場合)役員名簿
(生年月日が入っているもの)
※ 事業主本人以外に役員がいない場合及び個人事業主の場合は、提出不要です。
まとめ
『雇用調整助成金』の申請は、簡略化されましたが、慣れない人にとっては難易度が高い手続きです。ただし、活用する価値はとても高いので、利用できる場合には積極的に利用するべき制度です。そのためにも、おおまかで良いので概要を把握して、給付のチャンスを見逃さないようにしてくださ。
その際には、厚生労働省の下記リンクを参照してください。