テレワークのメリット・デメリットと上手なやり方と使える助成金 その①
テレワークといっても、やり方や業務への取り入れ方など活用方法は様々です。導入するメリットは大きいのですが、単に効率が良くなるとか、『働き方改革』など世間に導入が広まっているなどの理由から、とりあえずやってみようと見切り発車することだけは、絶対にオススメしません。
個人的には、どの会社や事務作業においても、テレワークを導入する価値は高いと思います。ただ残念ながら、知人の会社や顧問先の導入状況を見聞きした限りでは、効率的にテレワークを活用できている割合は低い印象です。
そこで、テレワークで失敗しないために、導入にあたって絶対に検討すべき事項と必用な準備を説明していきたいと思います。
テレワークのメリットとデメリット
テレワークのメリットは会社の立場と従業員の立場で理解する必要があります。もし会社のメリット先行で導入を進めてしまうと、導入初期の段階で壁にぶつかり、最悪は導入断念となる可能性が高くなります。私の周囲でも、テレワークの導入に失敗するケースを数多く見てきました。そうなると、時間と労力を無駄にすることになり、効率を良くして生産性を向上するチャンスを逃すことになります。
勘違いしてはいけないのは、テレワークを導入しただけで業務効率が上ったり、経費を節約できるケースは殆どありません。働く人が働きやすい環境作りのためにテレワークを利用した結果として、会社の生産性向上や経費削減につながるという認識で進める方が、途中でつまづくことを回避でき、成功する可能性が高く、導入の効果も大きくなると思います。
テレワークを導入して、良いサイクルで業務がまわっていく理想的な過程は下記のとおりです。
- 社員の働きやすさが向上する
- 社員自身が、効率よく業務をこなすための工夫を始める。
- テレワークに必要な機器やシステムの導入により、業務が効率化される。
※この内容は、テレワークであろうと通常のオフィスワークであろうと、効率化につながる内容になります。 - 多様な人事採用が可能となり、良い人材の確保ができる。
- 家賃、人件費、交通費など、経費を削減できる
- 最終的には、人材、設備、効率、経費節約、すべての面で向上し、生産性の高い仕事ができる会社になる。
テレワーク会社側のメリット
- 優秀な人材を確保できる
- 経費を削減できる
- 補助金等を利用して設備やシステムを導入できる
- 様々なリスク回避が実現できる
- 会社の作業効率がアップする
- 会社の生産性・収益性の向上を期待できる
テレワーク導入のメリットは、主に上記のリストのとおりです。詳細を説明していきたいと思います。
1.優秀な人材を確保できる
テレワークを導入すると、勤務時間・就業場所・業務手法などの選択肢が広がり、多様な人材を確保できます。よくある活用事例は下記のとおりです。
- 育児や介護などによる離職を防ぎ、優秀な人材の長期雇用が実現できる。長期雇用には、人材育成や欠員募集の労力を軽減する効果もあります。
- 病気や育児・介護をしていて、まとまった時間がとれず、就職することができないといった人材も雇用の対象になる。
- 時間や場所を選ばないので、日本全国の人材を対象にできる。
2.経費を削減できる
- 在宅とした分の通勤交通費が削減できる
- 事務所の中の人材が減るので、より小さいオフィスに移ることで家賃を削減できる。
- 同家賃でより都心・駅近の好立地オフィスへの移転も検討できる。
- 優秀な人材が確保できると、人材育成や求人費用の負担が軽減できる。
- テレワーク導入に合わせて、ペーパーレス化が進めば、紙や印刷コストを削減でき、保存する紙を減らして保管コストも削減できる。
3.補助金等を利用して設備やシステムを導入できる
働き方改革など国の方針もあり、テレワーク導入に必要となる設備やシステムに活用できる補助金がある。(パソコン、タブレット、印刷機器、通信機器、通信システム、セキュリティシステム、業務管理システムやソフトなどは対象になりやすい)
※詳細は、後日の記事で紹介させていただきます。
4.様々なリスク回避が実現できる
- 災害時などに、通勤が困難な場合でも在宅で対応できる。
- インフルエンザなどが流行しても、会社内での伝染を防げる。
- コロナなどの感染症や事務所メンテナンスなどで、事務所を利用すること自体に制限をうける状況でも、在宅で対応できる。
- 通勤中の事故や災害の発生リスクが低くなる
- 育児や介護など家庭の事情による離職を防げる
5.会社の作業効率がアップする
テレワークを導入するには、業務のやり方を見直す必要があり、業務改善を見直すきっかけになります。また、テレワークに必要な設備やシステムを導入することで、最新の技術や手法を取り入れて効率化することが期待できます。
他にも、会社にいると、来客・電話・上司からの指示・部下からの質問・雑談などで作業を中断させられる場合がありますが、テレワークであれば、従業員が集中して作業できる環境を作りやすいと言えます。
また、良い意味で一人作業になるので、自分のやりやすい方法を実践したり、自分のために工夫したりと、効率的な働き方をしようとする自主性が期待できます。
6.会社の生産性・収益性の向上を期待できる
上記メリットのまとめのような話になりますが、下記の理由で会社の生産性や収益性の向上が期待できます。
- 多様な人材が確保でき、組織力が高い会社になる
- 効率的なシステムや設備を活用できる
- 経費を削減できる
- 作業を見直すことで、ムダが少なくなる。
- 新しい発見を期待できる
テレワーク従業員側のメリット
- 通勤時間がなく、自分の時間を増やせる。
- 勤務時間を調整して家族との時間を増やせる
- 育児・学校・介護・趣味などを両立する形での就業ができる
- 仕事の配分を自分で管理できる
- 通常勤務では必用な気遣いを簡略化できる
従業員側のメリットは、何といっても『ワークライフバランス』の充実です。やり方によっては、家族との時間や自分の趣味の時間を増やすことができます。
仕事面では、ある程度、自分のやり方を実践できたり、自己責任で仕事を管理できる楽しさを実感できたりといったメリットがあります。
テレワーク会社側のデメリット
- 業務や作業の管理に不透明性が生じる
- 設備やシステムの導入に費用負担が生じる
- 書類やデータ管理にセキュリティ上の問題が生じる
- 業務のやり方やルールなどを変更する負担が生じる
- 社内コミュニケーションや連携がとれない
- やり方を間違えると、効率・生産性が低下してしまう。
テレワーク従業員側のデメリット
- プライベートと仕事の線引きが曖昧になる
- 通常勤務の方が、効率の良い作業へのジレンマ。
- 仕事やスケジュールなどの自己管理が難しい
- 仕事に対して評価されにくい部分がある
- 残業の概念が難しく、サービス勤務がしょうじやすい。
- 運動不足など健康管理に気を遣う必要がある
まとめ
テレワークの導入は、会社にとっても従業員にとっても大きなメリットがあります。やり方さえ間違えなければ、失敗することなく、その高い効果を期待することができます。
また、どのような業種でも、テレワークを導入する価値はあると思います。テレワークのやり方は、人材採用・業務手法・システム・設備などの選択肢を広げ、最終的に効率や生産性が向上することが期待できます。これは事務系に限らず、全ての業種や業務に活用ができる内容と言えます。
今回紹介させていただいたデメリットは、ぶつかりやすい問題ですが、対策できれば解決できるものが殆どです。また、デメリットと言っても、テレワークに限らず通常勤務でも同様に言えることが多く、テレワーク導入をきっかけに業務改善をするよい機会になると思います。
今後の記事で、下記の内容で続きを投稿していく予定です。
- テレワーク関連の補助金
- テレワークに使える設備やアプリ
- 導入にあたって検討すべき項目と事前準備
- テレワーク導入の実例を踏まえた具体例
- 失敗しないテレワークの導入手順