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絶対に損をしない!よくわかる年末調整のやり方~初心者編~

年末調整ってなに?お金が戻るしくみ

年末調整とは…
年末調整とはズバリ!毎月の給料から天引きされていた源泉所得税が戻ってくる手続きになります。この年末調整の処理をするために、会社は各従業員から書類を集めて、それぞれの年収と国に治める税金を計算することになります。年末調整と言うだけあって、年末に処理をすることになります。

お金が戻るしくみ…
では年末調整をすると、何故お金が戻るのでしょうか?その理由は大きく2つあります。

  • 理由①
    そもそも個人の税金は、その年の1月から12月の収入の合計である年収から計算されます。つまり12月の給料が支払われるまでは、その年の税金が確定しません。そのため毎月の給料から概算の税金である源泉所得税が天引きされる決まりになっています。概算なので、給与から天引きされた合計額と1年を終えた時点で年末調整で計算されて確定する税額に差額が生じるのが普通です。この差額は還付されることになるので、年末調整でお金が戻るしくみにまります。
  • 理由②
    もうひとつの理由は、実は個人の税金は一定条件を満たすこと安くなるのです。この一定条件というのは、毎月の給与計算のタイミングでは把握できないものが多く、年末調整の際に反映できるものになります。例えば、生命保険料の年間支払い額で税金が安くなったり、住宅ローンの年末残高があると税金が安くなったりする場合があります。この年末調整特有の処理も税金が戻る要因になっています。

要チェック!どれかに該当すれば税金が多く戻る可能性があります!

表のいずれかに該当する場合、年末調整の計算が有利になる可能性大です。

何かの支払いをしていると該当するもの

要件制度の名称
生命保険または年金保険に加入している生命保険料控除
火災保険の地震特約に加入している地震保険料控除
住宅ローン残高がある住宅ローン控除
健康保険料を払っている(家族分でもOK)社会保険料控除
国民年金を払っている(家族分でもOK)社会保険料控除
小規模企業共済掛金を支払っている小規模企業共済

本人や家族の状況によって該当するもの

要件制度の名称
結婚している配偶者控除
家族を養っている扶養控除
身内の面倒をみている扶養控除
一人親であるひとり親
過去に夫と離婚または死別寡婦控除
19歳以上23歳未満の身内がいる特定扶養親族
70歳以上の身内がいる同居老親等
障害者の身内がいる障碍者控除
自分が学生である勤労学生

損をしないためにも年末調整はしっかりやりましょう!

年末調整は少し面倒くさい手続きですが、損をしないためにもしっかりやりましょう。前述の理由②で紹介した、年末調整の際に反映できる項目は、うっかり忘れてしまうと反映されずをすることになります。わかならい場合も諦めずに、わかる範囲で必要な情報を伝えて年末調整の計算担当に相談しましょう。

実は支払いが生じることも?お金が戻るだけじゃない年末調整

年末調整をすると、税金が戻ってくることが殆どだと思います。ただし、一定の場合は支払いが生じる場合もあります。なぜ支払いが生じる事があり得るかというと、前述の年末調整でお金が戻るしくみと同様の理由になります。

理由①の説明を支払いが生じるパターンに言い換えると
 個人の税金は、その年の1月から12月の収入の合計である年収から計算されます。つまり12月の給料が支払われるまでは、その年の税金が確定しません。そのため毎月の給料から概算の税金である源泉所得税が天引きされる決まりになっています。概算なので、給与から天引きされた合計額と1年を終えた時点で年末調整で計算されて確定する税額に差額が生じるのが普通です。このとき、天引きされた源泉所得税の合計が確定した税金より少ない場合に、税金が不足することになり支払いが生じることになります

どのような場合に年末調整の支払いが生じやすいのか

年末調整で税金を支払うことになる場合は、計算間違いではないかと考えてしまうのではないでしょうか。お金が戻ると思っていたら、反対に負担することになってしまうと損をした気分になるのは当然です。そこで予備知識として、年末調整で税金支払いになりやすいケースを紹介します。これを知ったうえで、年末調整の担当の方に支払いになった原因を教わると納得しやすくなると思います。

  1. その年の賞与が多かった場合
    毎月の給与から天引きされる源泉所得税は、毎月の給与額を元にした想定年収に対応する税額が設定されています。その想定年収には賞与を含んでいるのですが、賞与が多いと想定年収より実際の年収が上回ることになります。年収が多いほど税金は高くなるので、この場合の天引きされきた源泉所得税は実際の年収に対する税金として不足することになります。目安としては賞与年額が基本給の4か月分相当を超えるときは、年末調整で支払いになる可能性が高くなります。
  2. 年の途中で大きく給与が変動した場合
    年の中途で給与が変動した場合も、前述の実際年収が想定年収を上回るケースに該当する可能性があります。目安としては、次の両方に該当したときは年末調整で支払いになる可能性が高くなります。
    ①給与が5万円以上変動したとき(増加・減少いずれの場合でも)
    ②給与が大きく変動して、金額が多い方の月数が7か月以上ある場合。(例:基本給20万円の人が、その年の3月に25万円に昇給した場合、昇給後の月数を7か月以上の10か月と考えます)
  3. 転職した場合
    転職して、給与が増減した場合も年末調整で税金の支払いになる可能性が高くなります。
    (前述『2.年の途中で大きく給与が変動した場合』の転職バージョンと言えます)
  4. 扶養にできる人が減った場合
    その年に、扶養している人の収入が103万円を超えた場合には、扶養控除に該当しないことになります。毎月の給与から天引きされる源泉所得税は、扶養がある場合には扶養控除を反映して税金額が少なくなっています。そのため扶養が減った場合は、毎月の源泉所得税の天引き額が実年収に対して少なかったことになるので、年末調整で税金を支払うことになる可能性が高くなります。
  5. 計算誤りがあった場合
    計算誤りがあった場合には2パターンあります。
    ①給与計算に誤りがあった場合
     給与計算に誤りがあった場合は、結果的に給与から天引きされた源泉所得税が少なかったことになるので、支払いをするしかありません。もしも支払うことになる税金が高い場合は、その後数か月で分割して天引きにしてもらうなど会社に相談されると良いと思います。間違っても年末調整の担当を責めるようなことはしないでください。誰しもミスはあることですし、毎月の給与明細からご自身で気づけた可能性も否定できないからです。
    ②年末調整の計算に誤りがあった場合
     年末調整の計算に誤りがあった場合は、そもそも税金支払いになる事が間違いなので訂正してもらいましょう。

どのような場合に年末調整で還付される税金が多くなるのか

年末調整で税金が戻ってくることはうれしい事ですが、その金額が10万円以上と大きい場合は念のために理由を確認することをオススメします。理由は万が一計算間違いなどがあった場合に、受け取って自分のお金と認識したものを返金することになると精神的負担が大きい場合があるからです。 そこで予備知識として、年末調整で大きな還付になりやすいケースを紹介します。これを知ったうえで、年末調整の担当の方に還付金額が大きくなった原因を教わると納得しやすくなると思います。

  1. 年の中途で給与が変動した場合
    毎月の給与から天引きされる源泉所得税は、毎月の給与額を元にした想定年収に対応する税額が設定されています。その想定年収は毎月一定範囲の給与が1年間支払われることを前提に計算されているため、年の途中で給与が大きく変動すると想定年収より実際の年収が下回ることになります。年収は少ないほど税金は安くなるので、この場合の天引きされきた源泉所得税は実際の年収に対する税金より多いことになります。目安としては、次の両方に該当したときは年末調整で還付金額が大きくなる可能性が高くなります。
    ①給与が10万円以上変動したとき(増加・減少いずれの場合でも)
    ②給与が大きく変動して、金額が少ない方の月数が7か月以上ある場合。(例:基本給30万円の人が、その年の4月に20万円に減俸された場合、減額後の月数を7か月以上の9か月と考えます)
  2. 転職した場合
    転職して、給与が増減した場合も年末調整で税金の還付が多くなる可能性が高くなります。
    (前述『1.年の途中で大きく給与が変動した場合』の転職バージョンと言えます)
  3. その年に就職、転職、退職、休職した場合
    その年に、就職、転職、退職、休職した場合に給料が激減または無かった月がある場合も、前述『1.年の途中で大きく給与が変動した場合』に該当します。
  4. 扶養にできる人が増えた場合
    その年の年末までに結婚したり、面倒をみている親族が増えた場合には年末調整で扶養控除を適用することができます。また、扶養控除には一定の要件で加算されるものがあり(同居老親・障がい者・特定扶養など)、扶養に加わるだけで年末調整の還付額に大きく影響する場合があります。年収見込みが103万円超の身内の年収が、結果的に103万円以下で扶養に該当するケースもあるので見逃さずにチェックしましょう。
  5. 年末調整特有の控除を適用できた場合
    年末調整でしか適用できず、給与計算に反映できないものがあります。さきほど紹介した、生命保険料控除や社会保険料控除が該当します。なかでも住宅ローン控除は効果が別格なので、忘れずに確認しましょう。
  6. 計算誤りがあった場合
    計算誤りがあった場合には2パターンあります。
    ①給与計算に誤りがあった場合
     給与計算に誤りがあった場合は、結果的に給与から天引きされた源泉所得税が多かったことになるので、そのまま還付で問題ありません
    ②年末調整の計算に誤りがあった場合
     年末調整の計算に誤りがあった場合は、そもそも税金還付になる事が間違いなので訂正してもらいましょう。

年末調整の書類の書き方

年末調整の手続きは、書類に必要事項を記入して提出します。見慣れない書類なので面倒に思えますが、記入箇所さえわかれば簡単に完了できます。ここでは、記入する書類と主な記入内容を説明します。

年末調整の提出書類

書類の通称名書類の説明提出が必要な人難易度
扶養控除申告書本人と扶養の情報の記入用紙全員簡単
保険料控除申告書保険料等の控除の申請用紙該当者のみやや難
基礎控除申告書本人と配偶者の収入情報の記入用紙全員普通
住宅ローン控除申告書住宅ローン控除を受けるための申請書該当者のみ難しい

年末調整の書類に記載することになる項目

  • 名前
  • 住所
  • 生年月日
  • 年収額
  • マイナンバー
  • 扶養の上記同情報

以上です!本当に難しいことはありません。ただ…記入用紙がわかりにくいというだけです!
書き方の詳細は、別記事で紹介予定です。

年末調整の記入書類を用意しました!次のリンクからダウンロードできます。
※国税庁のホームページ直リンクなのでご安心ください◎

記入用紙名書類のダウンロード記入例
扶養控除等申告書→ 扶養控除等申告書の書式→ (扶養)記入見本
基礎控除兼配偶者控除申告書→ 基礎控除等申告書の書式→ (基礎)記入見本
保険料控除申告書→ 保険料控除申告書の書式→ (保険)記入見本

書式は入力可能なPDF形式になっています。記入例もわかりやすいので参考にしてください。

年末調整に間に合わなかった場合でも諦めないで大丈夫!

年末調整には明確な期限はありませんが、会社によって11月下旬から1月上旬の間で書類の提出期限を設けていると思います。何かの理由で間に合わなかった場合は、年末調整の担当に相談してください。実は、年末調整の処理が完了した後でも訂正ができる場合があるからです。ただし絶対ではないので、年末調整の担当からできないと返答された場合は、最後の手段である確定申告という方法があります。

確定申告は年末調整より少しハードルが上がりますが、税務署に行って相談することで職員が親切に対応してくれます。その場合は、ご自身がお住いのエリアを管轄する税務署に、必要書類を持参してください。必要書類は年末調整に必要な書類に加えて、源泉徴収票・印鑑・身分証・還付先口座情報で問題ないと思います。

管轄の税務署の調べ方はこちら→ 国税庁の所轄税務署検索ページ

実は確定申告をしなければいけないパターンがある!

年末調整は、必要書類を会社に提出すれば完了するので実は負担が少ない手続きになっています。実は年末調整の担当者の負担というのは、大きいものなので感謝の気持ちは忘れないようにしたいですね。できれば年末調整で完結したい場合でも、次に該当する人は確定申告をする必要があります。ただし、基本的に年末調整が前提となっているので、確定申告をする場合でも会社への年末調整書類の提出はしっかりやりましょう。

確定申告をしなければいけないケース

  • 2つ以上の会社から給与を受け取っている場合 ※転職等で支給期に重複がない場合はOK
  • 給与の年額が2,000万円を超える人
  • 年末調整で住宅ローン控除を受けたい人 ※初年度に1回のみ必要
  • その年の医療費が10万円超ある場合の医療費控除を受けたい場合
  • 給与以外で20万円以上の収入がある人

まとめ

年末調整は年に1回の手続きなので、不慣れで難しい印象をもっている人が多いと思います。私もこの仕事をするまではそうでした。かといって年末調整で漏れや間違いがあると損をすることになります。そうならないようにと思いこの記事を書かせていただきました。私が声を大にして言いたいことは…『年末調整はやってみれば簡単で、面倒でもちゃんとやらないと損をしますよ!』ということです。この記事が少しでも皆さんの作業負担を減らして多くの還付を受けられることに役立てれば幸いです。

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