年末調整とは…
年末調整とはズバリ!毎月の給料から天引きされていた源泉所得税が戻ってくる手続きになります。この年末調整の処理をするために、会社は各従業員から書類を集めて、それぞれの年収と国に治める税金を計算することになります。年末調整と言うだけあって、年末に処理をすることになります。
お金が戻るしくみ…
では年末調整をすると、何故お金が戻るのでしょうか?その理由は大きく2つあります。
表のいずれかに該当する場合、年末調整の計算が有利になる可能性大です。
何かの支払いをしていると該当するもの
要件 | 制度の名称 |
生命保険または年金保険に加入している | 生命保険料控除 |
火災保険の地震特約に加入している | 地震保険料控除 |
住宅ローン残高がある | 住宅ローン控除 |
健康保険料を払っている(家族分でもOK) | 社会保険料控除 |
国民年金を払っている(家族分でもOK) | 社会保険料控除 |
小規模企業共済掛金を支払っている | 小規模企業共済 |
本人や家族の状況によって該当するもの
要件 | 制度の名称 |
結婚している | 配偶者控除 |
家族を養っている | 扶養控除 |
身内の面倒をみている | 扶養控除 |
一人親である | ひとり親 |
過去に夫と離婚または死別 | 寡婦控除 |
19歳以上23歳未満の身内がいる | 特定扶養親族 |
70歳以上の身内がいる | 同居老親等 |
障害者の身内がいる | 障碍者控除 |
自分が学生である | 勤労学生 |
年末調整は少し面倒くさい手続きですが、損をしないためにもしっかりやりましょう。前述の理由②で紹介した、年末調整の際に反映できる項目は、うっかり忘れてしまうと反映されず損をすることになります。わかならい場合も諦めずに、わかる範囲で必要な情報を伝えて年末調整の計算担当に相談しましょう。
年末調整をすると、税金が戻ってくることが殆どだと思います。ただし、一定の場合は支払いが生じる場合もあります。なぜ支払いが生じる事があり得るかというと、前述の年末調整でお金が戻るしくみと同様の理由になります。
理由①の説明を支払いが生じるパターンに言い換えると…
個人の税金は、その年の1月から12月の収入の合計である年収から計算されます。つまり12月の給料が支払われるまでは、その年の税金が確定しません。そのため毎月の給料から概算の税金である源泉所得税が天引きされる決まりになっています。概算なので、給与から天引きされた合計額と1年を終えた時点で年末調整で計算されて確定する税額に差額が生じるのが普通です。このとき、天引きされた源泉所得税の合計が確定した税金より少ない場合に、税金が不足することになり支払いが生じることになります。
年末調整で税金を支払うことになる場合は、計算間違いではないかと考えてしまうのではないでしょうか。お金が戻ると思っていたら、反対に負担することになってしまうと損をした気分になるのは当然です。そこで予備知識として、年末調整で税金支払いになりやすいケースを紹介します。これを知ったうえで、年末調整の担当の方に支払いになった原因を教わると納得しやすくなると思います。
年末調整で税金が戻ってくることはうれしい事ですが、その金額が10万円以上と大きい場合は念のために理由を確認することをオススメします。理由は万が一計算間違いなどがあった場合に、受け取って自分のお金と認識したものを返金することになると精神的負担が大きい場合があるからです。 そこで予備知識として、年末調整で大きな還付になりやすいケースを紹介します。これを知ったうえで、年末調整の担当の方に還付金額が大きくなった原因を教わると納得しやすくなると思います。
年末調整の手続きは、書類に必要事項を記入して提出します。見慣れない書類なので面倒に思えますが、記入箇所さえわかれば簡単に完了できます。ここでは、記入する書類と主な記入内容を説明します。
年末調整の提出書類
書類の通称名 | 書類の説明 | 提出が必要な人 | 難易度 |
扶養控除申告書 | 本人と扶養の情報の記入用紙 | 全員 | 簡単 |
保険料控除申告書 | 保険料等の控除の申請用紙 | 該当者のみ | やや難 |
基礎控除申告書 | 本人と配偶者の収入情報の記入用紙 | 全員 | 普通 |
住宅ローン控除申告書 | 住宅ローン控除を受けるための申請書 | 該当者のみ | 難しい |
年末調整の書類に記載することになる項目
以上です!本当に難しいことはありません。ただ…記入用紙がわかりにくいというだけです!
書き方の詳細は、別記事で紹介予定です。
年末調整の記入書類を用意しました!次のリンクからダウンロードできます。
※国税庁のホームページ直リンクなのでご安心ください◎
記入用紙名 | 書類のダウンロード | 記入例 |
扶養控除等申告書 | → 扶養控除等申告書の書式 | → (扶養)記入見本 |
基礎控除兼配偶者控除申告書 | → 基礎控除等申告書の書式 | → (基礎)記入見本 |
保険料控除申告書 | → 保険料控除申告書の書式 | → (保険)記入見本 |
書式は入力可能なPDF形式になっています。記入例もわかりやすいので参考にしてください。
年末調整には明確な期限はありませんが、会社によって11月下旬から1月上旬の間で書類の提出期限を設けていると思います。何かの理由で間に合わなかった場合は、年末調整の担当に相談してください。実は、年末調整の処理が完了した後でも訂正ができる場合があるからです。ただし絶対ではないので、年末調整の担当からできないと返答された場合は、最後の手段である確定申告という方法があります。
確定申告は年末調整より少しハードルが上がりますが、税務署に行って相談することで職員が親切に対応してくれます。その場合は、ご自身がお住いのエリアを管轄する税務署に、必要書類を持参してください。必要書類は年末調整に必要な書類に加えて、源泉徴収票・印鑑・身分証・還付先口座情報で問題ないと思います。
管轄の税務署の調べ方はこちら→ 国税庁の所轄税務署検索ページ
年末調整は、必要書類を会社に提出すれば完了するので実は負担が少ない手続きになっています。実は年末調整の担当者の負担というのは、大きいものなので感謝の気持ちは忘れないようにしたいですね。できれば年末調整で完結したい場合でも、次に該当する人は確定申告をする必要があります。ただし、基本的に年末調整が前提となっているので、確定申告をする場合でも会社への年末調整書類の提出はしっかりやりましょう。
確定申告をしなければいけないケース
年末調整は年に1回の手続きなので、不慣れで難しい印象をもっている人が多いと思います。私もこの仕事をするまではそうでした。かといって年末調整で漏れや間違いがあると損をすることになります。そうならないようにと思いこの記事を書かせていただきました。私が声を大にして言いたいことは…『年末調整はやってみれば簡単で、面倒でもちゃんとやらないと損をしますよ!』ということです。この記事が少しでも皆さんの作業負担を減らして多くの還付を受けられることに役立てれば幸いです。